第20回 ISO19650の認証コンサルについて

 これまでBSIの認証や研修・資格について説明してきました。今回は、このISO19650の認証を取るためのコンサルティングについてご説明したいと思います。このコンサルティングは、応用技術株式会社のBIMプロセスコンサルチームが、2021年から始めています。私も、応用技術株式会社の技術顧問として、共にこのISO19650認証コンサルに取り組んでいます。

 応用技術株式会社は、BooT.oneというRevitのプラットフォームを開発・販売している会社で、BIMに関するツールの受託開発なども行っている会社です。私は、各社のBIMプロセスを改革するために、ISO19650認証が必要だと考え、応用技術に5人のBIMプロセスコンサルチームを立ち上げて頂きました※1。このチームは、ISO19650自体を学ぶことから始めましたが、今では、ISO19650‐2(設計・施工段階の情報マネジメント)であれば、問題なく対応できる程に、成長されています。

 BIM認証ISO19650については、日本では現在BSI ジャパンのみ審査可能ですので、彼らに審査内容や審査日程を相談するところから始まります。BIM研修についてもBIM規格の原案の策定からISO化まで携わっているBSIの研修をお勧めします。

 コンサルが始めると、審査時に必要となるISO19650-2のBIM管理書類テンプレートが渡されます。コンサルを受けて頂く方は、基本的にBSIジャパンの研修を受けられている方、もしくは同程度の知識がある方を対象としていますので、すでに基本的な考え方や用語などの基礎知識を持っている必要があります。まず、最初に渡されたBIM管理書類のテンプレートの利用方法についての教育を受けます。このBIM管理書類や共通データ環境の作成方法の教育がおわりましたら、認証の対象物件で、審査に必要となる管理文書の作成や共通データ環境の構築を行います。

 応用技術のコンサルでは、実際の物件において、ISO19650の規格の文書を、どのように判断すればよいのかといったアドバイスを行います。1~2週間に1時間程度のWEBによるアドバイスを行い、ISO19650‐2の要求事項に対応したBIM管理文書・や共通データ環境を行ってゆきます。
  

応用技術によるISO19650-2のコンサルの概略スケジュール

 BIM管理文書の作成や共通データ環境の用意ができましたら、BSIジャパンの一次審査を受けます。 一次審査は1 日~2日間実施されます、そこで、いくつかの指摘を受けた場合、その指摘への対応についてもアドバイスを行い、二次審査を受けます。二次審査は通常3日~5日間くらいになります(審査日数はBSI ジャパンが判断します)。

 二次審査終了後、だいたい2か月後に審査結果がBSIジャパンから連絡が来ます。応用技術のISO19650認証審査コンサルは、この二次審査終了後のクロージングのミーティングを行うところまでとなります。

 以上が、ISO19650認証コンサルの主な流れです。これまで、様々な企業のコンサルを行ってきましたが、すべての企業が認証取得できています。

 最近では、認証を取るだけでなく、実務にISO19650の情報マネジメントプロセスを取り入れたいといったBIMによるプロセス改善の要望も出てきています。これは大変良いことだと思います。これまでのように、曖昧な指示と作業で、担当者のスキルに頼り、よいものができればそれでよいという結果オーライ型の仕事は、今は通用しなくなってきています。BIMによるプロジェクトであれば、少なくともBIM実行計画を作り、その計画に基づいてBIMを実行するというプロセスが作れないと、2次元CADの世界からいつまで経っても脱皮できません。こういった状況を改善するために、企業としても業務プロセスの改善が必要となります。

 BIMによる業務プロセス改善は、まずBIMアセスメントを行い、その企業の現在のBIMの取り組みやプロセスなどを、確認し、評価するものです。次に、そのアセスメントに基づいて、その企業にあったBIMプロセス構築のための、戦略を作るためのアドバイスを行います。

 こういったBIMによる業務プロセス改善も、基本的にはISO19650の考え方をベースにしています。ISO19650は建設業の情報マネジメントの完成形ともいえるものですが、一足飛びにこの完成形を取り入れるのは無理があるので、段階的に導入することになるでしょう。そのためのアドバイスを行うのが、業務プロセス改善コンサルです。これについても応用技術にご相談ください。

 ISO19650について、何回か連載を行ってきましたが、今回で一旦終わります。次回から、違うネタを用意させて頂こうと考えています。

※1 応用技術のBIMプロセスコンサルチームは、当初5名で、スタートしましたが、現在は4名となっています。実は、リーダーとして、チーム発足当時より、真摯にISO19650に取り組んでおられた野間口龍亮氏が、2023年9月19日に35歳の若さで、癌のため永眠されました。彼は、BIMに真摯に取り組み、ISO19650を深く理解し、この応用技術のBIMプロセスコンサルチームの業務の立ち上げに尽力されました。とても期待できる人財であっただけに残念です。今は彼の遺志を継いで、残ったメンバーでBIMプロセスコンサルに取り組んでいます。野間口さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。