換気解析:換気効率指標(SVE)による地下駐車場換気解析 

解析の詳細

    【解析結果】
     本解析から以下の知見を得た。
     ・給気口から供給された給気が排気口に向かう様子がみられる。(図5、6、13、14)
     ・駐車場内の温度は給気口側で低く、排気口側で高くなる様子がみられる。これは車からの発熱が排気口側に向かうことによるものである。(図7、8)
     ・SVE3の分布をみると、排気口側に向かって値が大きくなる様子がみられる。SVE6の分布をみると、排気口側に向かって値が小さくなる様子がみられる。これによって、駐車場内の空気の新鮮度に偏りがあり、換気が適切になされていないことが確認できる。搬送ファンで排気口側へ供給空気の影響を促そうとしているものの、その有効性が小さいことも確認できる。(図9~14)

     


     


     以上から、本事例のように、地下駐車場のような換気能力が要求される空間において、WindPerfectを用いて気流や換気効率指標(SVE3、SVE6)によって、給気口からの影響力の状況を把握し、換気性状を確認することが可能である。なお、給気口、排気口、搬送ファンの位置や車からの発熱条件を変えるなど、様々なケースを想定して検討することも可能である。
・解析の目的
 地下駐車場は、外部空間と接しておらず、自動車からの排気ガスが滞留しないように一定の換気能力が要求される。そのため、必然的に機械換気設備を設置することとなり、その配置が重要になる。特に機械換気設備計画の初期段階において、その妥当性を把握しておくことが重要となり、地下駐車場内の気流の様子を確認しておくことで設備の初期費用や省エネルギーに寄与する可能性が高まる。
 本解析事例では、WindPerfectを用いて、自動車を配置した地下駐車場を想定し、配置した給気・排気設備によって、内部において空気の滞留域の有無を確認することを目的とする。また、同時に換気効率指標のうちSVE3(空気齢)、SVE6(空気余命)を計算することで、より詳細に内部の空気の滞留状況を把握することを目的とする。
・解析の内容
【解析モデル・解析条件】
解析モデル・条件は以下の通りである。
(解析空間の大きさ・総格子数)48m×24m×3m、947,784分割 (図1、図2参照)
  ※気流の阻害要因となる自動車(16台分)、柱をモデル化
(解析条件)
・初期条件 :無風、27℃
・給気・排気条件 :69,120m3/h(20回換気を想定)、26℃
・搬送ファン :給気口側から排気口側にむかって、5m/sec
・室内の発熱条件 (図2、図3、図4参照)
照明発熱 :20W/㎡(天井面に一様に発生することを想定)
自動車発熱 :1台あたり4kW


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