空調:集合住宅結露解析

解析の詳細

    【解析結果】
    ・エアコンの暖気が鍋から発生する熱と湿度を拡散しているが、室内は温度成層化している(4、5参照)。テーブルより上の空間は初期温度(22℃)を上回る25~34℃となり、床付近の温度は17~19℃である。
    ・窓の一部に結露が発生することを確認した(図8参照)。結露量は最大約0.02kg/m2。特に多く結露がみられる各窓上部の壁側は、壁を伝うエアコンの吹き出しが当たらず、空気が滞留していることが原因と考えられる(図6参照)。

     

    【対策案】窓の断熱性能強化
     窓ガラスをLow-Eに変更したとし、断熱性能を強化した場合の結露の様子を確認した。
    (解析条件)
    ・貫流負荷を変更:窓ガラス貫流率3.0W/(㎡・K)

    【対策結果】
    ・断熱性能を強化したことで、結露量は減少した(最大約0.01kg/m2)。図8、9を比較すると、特に窓上部の結露が明らかに減少した。これは断熱により窓の表面温度が上昇したためと考えられる(図7、10比較)。

    【まとめ】
     本事例のようにWindPerfectを用いることで、気流、温度、湿度など様々な条件を考慮した結露解析により、結露発生の様子を確認することができた。また、窓の断熱性能を強化した場合と比較することで、結露を抑制できる可能性があることを確認した。

     


    図3_パーティクル軌跡

     


    図4_同時表示_速度分布

     


    図5_同時表示_温度分布

     


    図6_窓_速度分布

     


    図7_窓_温度分布

     


    図8_窓_結露量分布

     


    図9_【対策あり】_窓_速度分布

     


    図10_【対策あり】_窓_温度分布

     

    #テキスト入力#
・解析の目的
 住居の居室、リビングルームで最も結露が発生しやすいと考えられるのは窓である。特に冬季においては、外気により窓の表面温度が室内よりも低く、室内の空気中の水分が凝結しやすい環境となる。
 本解析事例では、WindPerfectを用いて冬季の集合住宅の一室を想定し、エアコンを稼働させた暖かい室内でさらに鍋を想定した湿度発生源を配置し、窓の結露の様子を確認した。また、窓の断熱性能を上げることで結露を防ぐことが可能かについても検討した。
・解析の内容
【解析モデル・解析条件】
解析モデル・条件は以下の通りである(図1、2参照)。
(解析空間の大きさ・総格子数)4.0m×6.4m×2.9m、169,632分割
(解析条件)
・気象条件
 外気温0.0℃、相対湿度80%(曇天時のため日射なし)
・室内条件
 初期温度22℃、初期相対湿度50%
・貫流負荷
 窓ガラス貫流率6.0W/(㎡・K)
・エアコン
 風量720m3/h、吸込み空気に6℃加算して吹出し(上限40℃)
・鍋の発熱
 上面に100℃
・鍋からの湿度発生条件
 0.0003 kg/sec
・計算時間
 600秒

  • 図1_解析モデル・条件

  • 図2_解析モデル・条件
  • ・お問い合わせ

      各種お問い合わせ、ご相談、資料請求などございましたら、
      お気軽にお問い合わせ下さい。
      TEL : 03-5823-3561~3 (9:30~17:30)

            e-mail : info_e-sim@env-simulation.com

       

    • お問い合わせ・資料請求へ