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10/3(水)テレビ放映

10/3(水)TBSテレビ「あさチャン!」にて弊社の強風シミュレーション映像が全国放映されました。
先日の台風24号による四ツ谷駅倒木の強風災害シミュレーションです。


 


 


 

題材は四ツ谷駅の倒木災害。 非常に強い台風24号によって、駅構内の背の高い樹木が数本、風によって なぎ倒され駅構内が損壊しました。 これは10月1日午前の総武線混乱の原因となり、通勤に大きな影響 が出ましたが、この被害が都市型のビル風によるものなのかどうかと言うのが解析の趣旨です。

 

 被害があった1日午前2時頃の東京管区気象台の最大瞬間風速は39.3m/sec。風向は南でして、この風の 状況で四ツ谷駅付近ではどのような風が吹くのか?

 

 例によってCADデータなどは無いので、地図情報とGoogleEarthが頼りです。WindPerfectの下敷き機 能を使って、地図のJPEG画像を断面ウインドウに貼り、 丁寧に建物のオブジェクトを乗せ高さを与えて いきます。 四ツ谷駅は平坦ではなくJRと東京メトロの軌道が地下部で交差しているので、これを再現する のが厄介でした。

 

 実際にシミュレーションを掛けてみると、南風に対して四ツ谷駅構内では軌道上に「風の道」が出来ます。 南側の開渠のようになった広い空間から駅付近に至ると、軌道の周りの盛土や駅舎の構造物によって、風 が軌道上の狭い範囲に誘導されます。 その結果、軌道上周辺には極めて強い風が吹きます。

 

 倒れた樹木群は軌道脇に生えていて地上にも数m顔をのぞかせる形になっていますが、南側の駅舎構造物 からはねて来た風が増速してそこにぶつかると言う事も分かりました。 設定風速39.3m/secに対して、樹 木近傍の風は50m/sec以上。 樹木は倒れるべくして倒れたと言えます。 軌道脇に高い樹木がある鉄道駅で は、風速と風向によっては同じような災害が起きるでしょう。

 

 赤坂のTBSテレビを出たのは、放送当日の日付が変わった時間。 依頼があってから30時間程度で、いつも の通りのスプリントレースでした。 それにしても驚くのはテレビマンの題材を見極める力で、風の専門家で も問題があるかどうか分からない映像を取り上げて問題点を発掘してしまう事です。 ターゲットがはっきり しているからこそ、シミュレーションも成り立ちます。

 

 今回の解析の詳細は、弊社ユーザー会 Esim Conference 2018で、他の強風解析の事例とともに、特に時間 を取ってご説明いたします。