外部気流:降雨(雨じまい)解析2

解析の詳細

     

    【解析結果】
    本解析により、以下の知見が得られた。
    風向NNE
    ・ビルAとビルB、Cの谷間風と、ビルDからの逆流が連絡通路に吹き込む様子がみられる(図3~6参照)。
    ・上記ビル風により、雨が一部吹き込む様子がみられる(図7~9参照)。
    風向NNW
    ・ビルAとビルB、Cの谷間風が連絡通路に吹き込む様子がみられる(図10~13参照)。
    ・上記ビル風により、雨が一部吹き込む様子がみられる(図14~16参照)。

     


    図3 風向NNE 速度分布パース図1 GL+0.25m

     


    図4 風向NNE 濃度分布パース図1 GL+0.25m

     


    図5 風向NNE 速度分布パース図2

     


    図6 風向NNE 風向NE 濃度分布パース図2

     


    図7 風向NNE 速度分布パース図3 GL+0.25m

     


    図8 風向NNE 濃度分布パース図3 GL+0.25m

     


    図9 風向NNE パーティクル軌跡線パース図 

     


    図10 風向NNW 速度分布パース図1 GL+0.25m

     


    図11 風向NNW 濃度分布パース図1 GL+0.25m

     


    図12 風向NNW 速度分布パース図2

     


    図13 風向NNW 風向NE 濃度分布パース図2

     


    図14 風向NNW 速度分布パース図3 GL+0.25m

     


    図15 風向NNW 濃度分布パース図3

     


    図16 風向NNW パーティクル軌跡線パース図

     

     以上から、WindPerfect2015を利用することで、周辺建物によって発生したビル風を考慮した降雨解析を行うことができ、屋根付きの連絡通路に雨が吹き込む可能性のある範囲について把握することができた。これらの結果によって、屋根の形状や通路の配置変更や、雨の吹き込みを防ぐ垂れ壁の設置など、対策案を検討する指標として有効である。
     また、WindPerfect2015では終端速度(降雨解析では沈降速度にあたる)を変更することで、想定する雨の粒径にあわせた降雨解析を行うことが可能である。上記に加え、外部風の風速、風向を変更することで、様々な状況を想定した解析に対応することが可能である。

・解析の目的
 高層建物が建つ場所では、はく離流や吹き降ろし等のビル風が発生して複雑な風環境となる。その複雑な風環境により、雨よけのために設けた屋根があっても想定外の吹き込みが起こる可能性がある。
 本解析事例では、WindPerfect2015を用いて降雨解析を行い、周辺の建物や高層建物のビル風が及ぼす気流の乱れを考慮し、連絡通路に雨が吹き込む可能性のある範囲を把握することを目的とする。
・解析の内容
【解析モデル・解析条件】
解析モデル・条件は以下の通りである。
(解析空間の大きさ・総格子数)800m×800m×200m、302,302,93分割 (図1参照)
解析空間に計画建物を含む約360m×360mの範囲に街区を再現した。計画建物は4棟あり(ビルA、ビルB、ビルC、ビルD)、建物高さはそれぞれビルA:40m、ビルB:30m、ビルC:30m、ビルD:10mである。各棟を結ぶ屋根付きの連絡通路が設置されている。通路の大きさは幅8m×高さ3mである。
(解析条件) (図2参照)
・風向:NNE、NNW
・風速:2.96m/sec(気象台高さ35.3m)
・地表面粗度区分Ⅱ(べき乗値0.15、一定風速高さ5m)
・雨滴の大きさは直径0.5mmを想定
(WindPerfect2015で終端速度を入力することで降雨の考慮が可能)

  • 図1 解析モデル 街区全体表示


  • 図2 風向

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