空調:工場結露解析

解析の詳細

     

    【解析結果】
    ・茹で釜からの上昇流がみられ、茹で釜上部では最大で1.5m/secとなる。(図7,8参照)
    ・室内の温度は、居住域では24~28℃であるが、屋根付近に近づくほど温度が高くなり、最大で37℃である。(図9、10参照)
    ・相対湿度は居住域では50~70%であるが、茹で釜直上や茹で釜付近で100%に近くなる。(図11、12参照)
    ・壁面、ガラス面、屋根面中央部で水分の付着がみられる。(図13~16参照)
     以上より、食品加工工場内の水分付着の可能性のある箇所を推測でき、この結果に基づいて、水分付着を防止し、加工スペースに垂れ落ちることへの対策を講じることも可能である。 

     


    図7 速度分布+速度ベクトルパース図

     


    図8 速度分布+速度ベクトルパース図 FL+1.5m

     


    図9 温度分布パース図

     


    図10 温度分布パース図 FL+1.5m

     


    図11 相対湿度分布パース図

     


    図12 相対湿度分布パース図 FL+1.5m

     


    図13 表面付着量パース図1

     


    図14 表面付着量パース図2

     


    図15 表面付着量パース図3 (底部より望む)

     


    図16 表面付着量パース図4(底部より望む)

     


    図17 等値面パース図(相対湿度90%の面を表示) 

     


    図18 流跡線パース図

     

     本事例のように、食品工場など大量の水を使用する工場において、WindPerfect2015を利用することで、建築物内の気流、温度、相対湿度、水分付着量の状況を把握することに有効であることが確認できた。また、工場内から発生する各条件の変更、検討する時間帯の変更をするなど想定するケースの変化に対しても、柔軟に対応することが可能である。

・解析の目的
 食品加工工場では、食品の加工のために多くの水を使用するため、工場内の空気中に含まれる水分量が多くなる。冬季においては、この空気中に含まれる水分が壁面、天井面、ガラス面など表面温度の低い箇所で凝結し、付着する(⇒結露)。この付着した水は食品を取り扱うスペースに垂れ落ちる可能性があり、食品衛生上好ましくない環境となる恐れがある。  本解析事例では、WindPerfect2015を用いて食品加工工場を想定し、冬季における工場内の結露の可能性がある箇所を把握することを目的とする。
・解析の内容
【解析モデル・解析条件】
解析モデル・条件は以下の通りである。
(解析空間の大きさ・総格子数)40.0m×40.0m×13.0m、2,982,732分割 (図1参照)
※解析の対象となるモデルは茹で釜のある食品加工工場を想定。
(解析条件)
・季節:冬季曇天時(外気温度-2.0℃)
・空調条件
AHUを18台設置。風量1000m3/h、吹き出し温度18℃、相対湿度50%とした。
・茹で釜から設定:温度40℃、相対湿度90%の空気が0.5m/secで上昇すると想定 (図2参照)
・茹で釜付近に吸い込みチャンバーを設置。
・室内の発熱条件 (図3、図4、図5参照)
照明発熱(4500W)
人体発熱1000W(50W/人で20人想定)
外部と接する壁・窓ガラスに貫流負荷を考慮した(壁3.0W/(㎡・K)、窓ガラス6.0W/(㎡・K)。
各負荷の設定位置は、それぞれ図3、図4に示す。本解析事例は1200秒(20分間)後の結果である。

  • 図1 解析モデル

  • 図2 茹で釜位置

  • 図3 壁・窓貫流負荷設定位置

  • 図4 屋根貫流負荷設定位置

  • 図5 人体負荷発熱設定位置

  • 図6 照明発熱負荷設定位置
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