空調:オフィス結露解析

解析の詳細

     

    【解析結果】
    ・天井カセットより35℃の空気が供給される様子が確認できる。(図11,12参照)
    ・室内の温度は、居住域では28~31℃であるが、窓付近に近づくほど温度が低くなり、最小で23℃である。
    (図11、12参照)
    ・相対湿度は居住域では30~40%となる。(図13、14参照)
    ・ガラス面で水分の付着がみられる。(図16参照)
     以上より、オフィス内の水分付着の可能性のある箇所を推測でき、この結果に基づいて、壁面やガラス面などへの水分付着を防止することが可能である。これによって壁紙がはがれる、カビの発生等の問題への対策を講じることも可能である。

     


    図9 速度分布+速度ベクトルパース図

     


    図10 速度分布+速度ベクトルパース図 FL+1.5m

     


    図11 温度分布パース図

     


    図12 温度分布パース図 FL+1.5m

     


    図13 相対湿度分布パース図

     


    図14 相対湿度分布パース図 FL+1.5m

     


    図15 等値面パース図(相対湿度40%の面を表示)

     


    図16 表面付着量パース図

     

     事務所衛生基準規則により室温17℃以上28℃以下、相対湿度40%以上70%以下になるように努めなければならないとされているが、本事例では、その基準を満たしていない室内温度28~31℃、相対湿度30~40%となり、結露の起こりにくい環境と考えられたが、そのような室内環境においても窓面で結露することが確認できた。
     以上から、WindPerfect2015を利用することで、建築物内の気流、温度、相対湿度、水分付着量の状況を把握することに有効であることが確認できた。また、オフィス内から発生する各条件の変更、検討する時間帯の変更をするなど想定するケースの変化に対しても、柔軟に対応することが可能である。

・解析の目的
 冬季のオフィスでは暖房が使用され、オフィス内の温度が上昇することにより相対湿度が低くなり、インフルエンザ等のウイルスが繁殖しやすい環境となる。この対策とし、加湿器を使用し相対湿度を高くすることが想定される。しかし、冬季においては、オフィス内の空気中に含まれる水分がガラス面など表面温度の低い箇所で凝結し、付着する可能性がある。(⇒結露)。この結露の影響により壁紙がはがれる、カビの発生等の問題が起こる恐れがある。  本解析事例では、WindPerfect2015を用いてオフィスを想定し、冬季におけるオフィス内の結露の可能性がある箇所を把握することを目的とする。
・解析の内容
【解析モデル・解析条件】
解析モデル・条件は以下の通りである。
(解析空間の大きさ・総格子数)9.4m×15.6m×2.7m、606,720分割
※解析の対象となるモデルは加湿器を設置したオフィスを想定。
(解析条件)
・季節:冬季曇天時(外気温度-2.0℃)
・空調条件
 天井カセットを3台設置。風量1500m3/h、吹き出し温度35℃、相対湿度20%とした。 (図1参照)
・加湿器条件
 床置き型加湿器を2台設置。温度22℃、相対湿度100%とした(図2参照)
・室内の発熱条件 (図3~図8参照)
 照明発熱743W
 人体発熱660W(55W/人で12人想定)
 OA機器発熱960W(80W/台で12台想定)
 隣室および外部と接する床・天井・壁・窓ガラスに貫流負荷を考慮した(床・天井・壁3.5W/(㎡・K)、窓ガラス5.9W/(㎡・K))。
各負荷の設定位置は、それぞれ図3、図4に示す。本解析事例は600秒後(10分後)の結果である。

  • 図1 天井カセット位置

  • 図2 床置き型加湿器位置

  • 図3 壁貫流負荷設定位置

  • 図4 床貫流負荷設定位置

  • 図5 天井貫流・照明発熱負荷設定位置

  • 図6 窓貫流負荷設定位置

  • 図7 OA機器発熱負荷設定位置

  • 図8 人体発熱負荷設定位置
  • ・お問い合わせ

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