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【クローズアップ】外部気流シミュレーション


WindPerfectによる外部気流シミュレーション

 

背景

 最近ようやく数値解析による外部気流シミュレーションが普及してきました。冷却塔・チラー・室外機・煙突など建物外部に設置される熱排出機器は多いにも関わらず、その温度・濃度の拡散状況や対策は、分かりやすい空調問題や風問題に比較しておざなりにされてきました。弊社はこれら問題に多くのソリューションを提供しています。

 

屋外気流シミュレーションのポイント

・熱問題と風問題が同居 : 外部気流解析では空調工学と風工学の両方のスタンダードを満たす事が必要です。

・熱排出機器の特性把握 : 機器の吸込み・吹出し状況、台数、設置方法により適切なモデル化が必須です。

・大規模問題の解決 : 周辺空間を考慮して大規模な解析が必要な場合、コストと納期を適正に勘案します。

・適切な評価指標の利用 : 風速・温度のみの比較だけでなく高温域体積や局所吸込み風量なども駆使します。

・デザイン・対策への低減 : 熱問題は深刻なトラブルになる事があります。事前の解析・設計で適切な対策を。

・塵埃・有害ガスへの対策 : 熱問題だけではなく、塵埃や臭気・有害性のあるガスの移流拡散も扱えます。

外部気流:都市街区における換気塔からの排ガス拡散シミュレーション

風速分布と高温域3D表示
煙突からの流跡線と表面風速分布

換気塔排ガスの広域拡散解析

 我々が生活する街区に熱排気をともなう施設がある場合、気象条件によって排気の拡散が居住域に影響する場合があります。事前のアセ

スメントも含めて熱に暴露されない環境条件の策定に、広域の熱移流拡散シミュレーションは有用な情報を提供できます。

上記画像の説明
 換気塔からの排気は風の流れに沿って下流側に移流拡散しますが、外気温の高い夏季には熱排気が渦に巻き込まれ地上に降りて来る場合があります。 

外部気流:冷却塔周辺気流解析

断面温度分布
表面風速分布と冷却塔熱排気

冷却塔ショートサーキット解析

 夏季においては建物と熱排気施設との位置的関係によっては、排気がそのまま吸い込まれてショートサーキットを起こし、熱交換効率が著しく低下する場合があります。そのような状況を回避するため、熱排気の位置関係を最適化する事が重要です。

上記画像の説明
 建物後流側に冷却塔群を設置しているため、大きな渦流が発生しショートサーキットを起こします。邪魔板設置等による対策が有効です。

外部気流:渤海某貯炭場粉塵飛散解析

平面風速分布
表面風速分布と塵埃粒子高濃度域

貯炭場パイル塵埃拡散解析

 熱が関係しない問題でも塵埃や有害ガスの拡散が問題になる場合があります。CFDでは熱と同様に塵埃やガスの重さがある場合でも、適切な条件設定によって移流拡散解析による評価が可能です。特に広域問題の場合、対策を立てる領域を絞る事も可能になります。

上記画像の説明
 多数のパイル周辺に複雑な気流が発生し、接線風速によって塵埃の拡散が起こります。防風柵位置の最適化によって影響を低減出来ます。