◆ 輻射解析のネック
境界面数の2乗のオーダーの輻射熱授受計算が必要です。 真面目に計算するとメモリと計算時間が膨大になり、大規模問題ではまず実現が不可能です。 そこで、モンテカルロ法やマルチフラックス法など形態係数計算の簡略化が試みられたのですが、主要な境界面間の輻射熱授受を正確に評価出来ず計算精度が悪かったのです。
◆ e-flow / WindPerfectの輻射計算方法
主要な境界面間の輻射熱授受の評価に焦点を当てました。 ある隠れ面判定アルゴリズムを用いると構造格子ではかなり効率的な判定が可能です。 他にも少ない計算量で隠れ面を排除できるアルゴリズムがいくつか存在し、かなり早い計算時間で隠れ面判定が可能です。
また、形態係数F12の計算を効率的に簡略する事も可能 です。 0.012 < F12 < 0.030の範囲では、面積分をcosθ・cosφ・A2/(π・R**2)で代替できます。 0.012 < F12では、対向受熱面を4×4分割して和を取るとF12の計算精度が向上します。
各面毎に隠れ面でない面のF12のみを考慮し、面−面間の輻射熱授受計算を出来るだけ減らします。 次に特殊な処理によって、各面に関して数百個の範囲に面間の輻射熱授受評価を限定する事により、計算精度を落とさずに輻射熱授受量の評価が可能です。 各面の温度が分かっていれば輻射熱授受量の評価は更に精度は増します。 この方法のメリットは著しく使用配列を減らす事が出来るので、従来のモジ ュールよりもかなり少ないメモリ容量で輻射計算を行う事が出来ます。 また、輻射形態係数ファイルを保存し再利用が可能であり、立ち上がり速度がかなり速くなります。
◆ e-flow / WindPerfectの輻射計算例
WindPerfectを用いて実際に輻射計算を試みました。
右に夏季における工場空調シミュレーションを行った例を示します。 通常の気流・温度分布を計算した上で輻射を考慮した解析を行いました。 その結果から各セル毎の平均輻 射温度を計算し冷温感指標PMVを求めました。 PMVの3次元分布を示しますが、今まで点でしか捉えられなかった空間分布を把握する事が出来、空調システムの効率的な改善やコストダウンに重要な知見が得られます。 このような実用的な輻射計算を実施するためには、熱的境界条件物性値を適切に設定する必要があります。 それらの情報もノウハウとしてお客様に総て提供できる準備が弊社にはあります。



