外部気流:都市街区における換気塔からの排ガス拡散シミュレーション

解析の概要

okugai_02_01

風速分布と高温域3D表示

okugai_02_02

煙突からの流跡線と表面風速分布

換気塔排ガスの広域拡散解析

 我々が生活する街区に熱排気をともなう施設がある場合、気象条件によって排気の拡散が居住域に影響する場合があります。事前のアセ

スメントも含めて熱に暴露されない環境条件の策定に、広域の熱移流拡散シミュレーションは有用な情報を提供できます。

上記画像の説明
 換気塔からの排気は風の流れに沿って下流側に移流拡散しますが、外気温の高い夏季には熱排気が渦に巻き込まれ地上に降りて来る場合があります。 

解析の詳細

    【解析結果】
    本解析から以下の知見を得た。
    ・図3-1,2にそれぞれ夏季および冬季における風速分布を粒子軌跡で示した。

    いずれの場合も、風は初台オペラシティとNTT東日本の手前側から風下側に向かって大きく乱れていることが分かる。 両者の間に位置する換気塔周辺の風況もこれら高層ビルの影響を大きく受けていると考えられる。
    ・図4-1,2には夏季・冬季における換気塔から移流拡散した排ガスの分布を示す。
    夏季:排出したガスと外気との温度差が少ないためにガスは地表面近くに分散し、市街区の風の影響を受け四方に分散。
    冬季:ガスは外気との大きな温度差のため大きな浮力を持つので、換気塔から排出された後上空に拡散。
    ・図5-1、2で濃度を等値面で表現した。
    夏季:排ガスが周辺街区のいたるところに分散し、低層部の気流分布の影響で特風下側に特に排ガス濃度の集中する街区があることが分かる。 高い濃度の排ガスに長期間被爆すれば何らかの形で人体に影響があるのは必至であるので、本来このような観点から換気塔の位置や高さは十分に吟味されてしかるべきである。
    冬季:排ガスは外気温との温度差のために上空に上昇し市街区のはるか上を跳び越すので大きな問題になる事はないと考えるが、冬季以外の季節で北風が吹いた場合には排ガスは地上に降りてくるので注意が必要である。

     


    図3-1 粒子軌跡パース図(夏季:南風)

     


    図3-2 粒子軌跡パース図(冬季:北西風)

     


    図4-1 排ガス濃度分布断面図(夏季:南風)

     


    図4-2 排ガス濃度分布断面図(冬季:北西風)

     


    図5-1 排ガス等濃度面パース図(夏季:南風)

     


    図5-2 排ガス等濃度面パース図(冬季:北西風)

     

     以上から、本事例のように、WindPerfectを利用することで、GIS データに基づく詳細な都市街区モデルの構築により、物質移流拡散をともなうCFD解析が容易に実施することが可能であり、計画建物のみならずその周辺へのガスの拡散状況を把握することに有効であることが確認できた。また、外部風の風向・風速の変更や換気塔からの排熱温度・排ガス量の変更などさまざまな状況に応じた解析を実施することも柔軟に対応可能である。

・解析の目的
 高層ビルを含む都市街区において、熱または有害成分を含む排ガスの拡散は、周辺住民にとって住環境を悪化させる大きな問題となっている。 しかしながら、複雑な地形や気象条件の変動などの要因のため、広域での排ガスの拡散分布を正確に求めるのは容易ではなかったため、公的機関においてさえもFOGモデル1)のような極めて荒い近似モデルを用いた評価しか現在もされていない。 データの電子化が進んだ今日、安価かつ迅速にレーザプロファイラデータや国土数値情報などのGIS(地図情報システム)データや1時間毎の各アメダスポイント気象データなどが入手できる現状では、モデル構築や境界条件設定が格段に速く正確になり、CFDによる移流拡散解析を実務として行うことが可能となってきた。  そこで、本解析事例では、WindPerfectを用いて、新宿区甲州街道沿いの1km四方の一角を再現し、この地域に存在する高さ15mの換気塔(図2参照)がこの排ガスが周辺に与える影響を数値計算で予測する。換気塔は一定間隔毎に設置されたている。
・解析の内容
【解析モデル・解析条件】
解析モデル・条件は以下の通りである。
(解析空間の大きさ・総格子数)1000m×1000m×400m、1,471,632分割 (図1参照)
新宿区甲州街道沿いの1km四方の一角における高さ15mの換気塔(図2参照)が一定間隔毎に設置され、地下の高速道路で発生した自動車排ガスが地上の空気と置換されるが、この排ガスが周辺に与える影響を数値計算で予測する。なお、街区モデルは、GIS(地図情報システム)データから独自開発のアルゴリズムで格子生成を生成した。
(解析条件) (図1参照)
・検討ケース :夏季・冬季の2ケース
・風向、風速 :S・NW、風速3.0m/sec
・地表面粗度区分 :ⅴ(べき乗値0.35、一定風速高さ30m)
・外気条件 :夏33.4℃、冬0℃
・換気塔からの排ガス量 :毎分4067リットル、吹き出し温度48.4℃(外気温度+15℃)

 


図1 新宿区初台周辺街区モデル

 


図2 換気塔周辺のモデル拡大図と格子分割
・お問い合わせ

    各種お問い合わせ、ご相談、資料請求などございましたら、
    お気軽にお問い合わせ下さい。
    TEL : 03-5823-3561~3 (9:30~17:30)

          e-mail : info_e-sim@env-simulation.com

     

  • お問い合わせ・資料請求へ