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PMVシミュレーション (1)

PMV (Predicted Mean Vote) とは

PMVとは温熱6要素(気温・湿度・気流・熱放射・代謝量・着衣量)を考慮し空間内の快適性を評価する代表的な冷温感指標。
熱的中立に近い状態において大多数の人が感じる温冷感の平均値を算出。室内限定で直射日光下は適用不可。
人体の熱負荷に基づいて解析した理論式で算出。体感温度ではなく、冷温感を指標にしたことが特徴。
1994年にISO7730に制定。ISOの推奨値は -0.5<PMV<+0.5.この範囲PPD<10%となる。

PMVの計算方法

1.輻射を考慮した熱流体シミュレーションを実施
2.各セル毎のTMRT(平均輻射温度)を計算
3.人体の代謝量(met),clo値,外部仕事など設定
4.風速,温度,湿度などを気流解析結果から取得
5.所定のアルゴリズムでPMVを計算・表示する

 

TMRTの計算
仮想人体からマルチフラックス線分を所定本数出して壁面温度をサンプリングし、その平均値を各セル毎のTMRTとする。

 

TP法による輻射シミュレーション

面毎に向かい合っている総ての面との間で
① 立体角(形態係数 F12)を計算。
② 面の温度を仮定し温度の4乗差(θj4 – θi4)を計算。
③ 立体角と温度の4乗差(θj4 – θi4)の積を作る。
④ ③で作った積をパラメータにしてソーティングを行い面毎に輻射熱伝達の寄与の大きい面を所定数選択。
⑤ 選択した面同士だけで輻射計算を行う。

 

特長
・計算量が面の数に比例 ― 高速計算
・遠くの高温面の寄与を拾える ― 高精度
・計算速度と精度の調整が可能
・アルゴリズムが簡単

 

WindPerfectDXのPMV評価機能

TP法により大規模な輻射シミュレーションを高速計算し、平均輻射温度データを作成。
マルチフラックスTMRTサンプリングでPMVの3次元分布を迅速に評価可能。代謝量・着衣量等を変更した場合の評価も簡単。
PMV以外にもPPD(予測不快者率)、set*(修正有効温度)TMRTといった空間内の快適性評価指標を表示可能。

PMVシミュレーション事例 エントランスホール空調解析

目的
ガラス面の多い建物ではペリメータ付近などで輻射熱の寄与する割合が大きい。
夏季における空調条件を元に温熱環境シミュレーションを行って風速分布・温度分布を求め、さらに快適性を評価するため冷温感指標PMV分布も計算した。
本解析モデルの格子数は、 147×148×45=1050450 である。

 

計算条件
・活動量 (met) : 1.0    ・対表面積の新陳代謝率 : 58.15w/m2 ・着衣量 (clo) : 0.6    ・外部仕事 (W) : 0 ・相対湿度 (%) : 60%   ・建物表面輻射率 (-) : 0.50

 

シミュレーション結果


解析モデルパース図

 

PMV分布は3次元分布が計算されるので、空間内のすべての部位を評価可能。

 

PMV分布は風速の小さい部位では温度分布の影響を強く受ける。

 

PMV分布は吹出し口近傍など風速の大きい部位では小さい値を取る。

 

 

PMV解析事例紹介

以下画像をクリック頂きますと解析事例ページをご確認頂く事が出来ます。


     

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