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【クローズアップ】通風シミュレーション(1)

【WindPerfectの通風シミュレーション(1)
       - 戸建住宅から集合住宅・オフィス -】

   外部の風が建物の中に入って来て各居室をどのように風が通り抜けるのか?それを調べるのが通風シミュレーションです。 同じ風向きであっても窓開口・扉開口の位置・大きさ・開け方によって風の流入する状況は大きく異なります。もちろん建物内部の構造でも各居室の風速分布は違ってくるので、風通しの良い設計をするというのは建築デザイナーの腕の見せどころでもあります。勘や経験に頼るのではなく、熱流体解析と言う予測手段によって風の分布を定量的に予測出来るのは、設計者にとって大きなメリットです。ここではWindPerfectで実現する通風シミュレーションを紹介します。

 

 第1の例は、もう10年以上前になりますが、ベトナムで活躍中の気鋭のデザイナー、ボ・チョン・ギア氏が東京大学で卒業論文として行ったシミュレーションです。第2・第3の例も同じくボ・チョン・ギア氏の最近の作品です。

 

 通風シミュレーションは近年盛んになっていますが、ミュレーションで計算された戸内の風速と実測された風速では大きな違いがある事がありますので運用には十分注意していただきたいと思います。 なぜなら自然の風は本来変動風であり、シミュレーションで設定される定常風とは性質が大きく異なります。 自然風は変動がある分だけ開口を通しての戸内での流入が良くないので、建物が実際に建って見ると意外に通風が良くないと言う場合も有ります。 やはり通風シミュレーションもやりやすさや計算速度だけでなく解析精度が重要である事を強調しておきます。

通風:世界遺産Hoian古代家屋 通風解析