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【クローズアップ】外部熱気流シミュレーション(1)


WindPerfectによる外部熱気流シミュレーション(1)

 建築物に敷設される熱発生機器は、様々な影響を周辺に及ぼします。 最も懸念されるのは、発生した熱気塊が建築物の塔屋周辺に滞留して、熱発生機器の吸込み口に戻るショートサーキットですが、高温のガスでペントハウスや鳩小屋周りの外装材を傷めたりなどもします。 高温の気流はヘリポートでのヘリのホバリングを阻害するとも言われますし、湿度の高い日には熱気流が白煙化して視界を覆い景観を台無しにします。 煙突に至っては数100℃の高温になりますから、自社ビルもそうですが近隣への影響も無視できません。 外装がかなり痛むケースもあるそうです。 加えて、煙突から出る熱気流の温度やガス組成が稼働時間によって変化する設定での問題も有り、近年その現象の複雑さは倍加する傾向にあります。

 

外部熱気流シミュレーションのポイント

・熱問題と風問題が同居:外部気流解析では空調工学と風工学の両方の要件を満たす事が必要。

・熱排出機器の特性把握:機器の吸込み・吹出し状況、台数、設置方法により適切なモデル化が必須。

・大規模問題の解決:周辺空間を考慮して大規模な解析を行う際、コストと時間の適正な勘案が必要。

外部気流:冷却塔群の熱気流シミュレーション

reikyakutougun_1 冷却塔高さでの平面温度分布
reikyakutougun_2 平面速度分布+高温域3D表示

【冷却塔群の熱気流シミュレーション】

 本例では、2箇所に分けて設置された冷却塔群と建物形状を正確に再現し、複数の卓越風条件での熱排気の滞留範囲を予測しています。

 

【上記の画像の説明】

 平均風のもとでも冷却塔群近傍での風速はあまり早くなく、発生した熱気は拡散せず冷却塔群の周りに大きく滞留しています。

外部気流:チラーからの熱排気移流解析

tiragun_1 チラー群からの熱排気の流跡線
tiragun_2 チラー群からの高温域表示

【チラーからの熱排気移流解析】

 ここでは200台近いチラー群を屋上や各階に正確に配置して負荷を割り当て、発生頻度の高い気温・外部風条件の下で典型的な稼動条件での各チラーからの熱拡散を再現し、敷地内あるいは近隣への熱移流の拡散状況を予測しました。

 

【上記画像の説明】

 本解析では、低層階に設置されたチラー排気が敷地や近隣の地上レベルに、さほど高温ではありませんが熱気を拡散する事が分かり、稼動するチラーを限定する対策が取られました。

外部気流:冷却塔ショートサーキット解析

reikyakutou_short_1 断面温度分布
reikyakutou_short_2 表面温度分布と冷却塔熱排気

【冷却塔ショートサーキット解析】

 夏季においては、風向及び建物と熱排気設備との位置的関係によっては、排気がそのまま設備の吸込み口に吸い込まれるショートサーキット現象を起こし、設備の熱交換率が著しく低下する場合があります。

 

【上記画像の説明】

 本解析では、卓越風下での建物後流側5階部分に冷却塔群を設置しているため、発生した大きな渦流が冷却塔の部位で大きな吹き降ろしと横殴りの風を発生させるので、ショートサーキットが起こりやすくなっています。