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【クローズアップ】空調シミュレーション


WindPerfectによる空調シミュレーション

 

背景

 空調解析は、建築・土木分野で最も古くからで適用されてきた解析であり、非常に解析内容の種類も多く、オフィスから大空間まで規模も様々です。 しかしながらアンダーフロア空調、ディスプレイスメント空調、タスクアンビエント空調など新しい空調方式も多く提案されており、実務での展開がますます重要となっています。

 

空調シミュレーションのポイント

・制気口と全体空間との関係 : 吹き出しの到達範囲予測、大空間居住域での全体温度分布の把握。

・特殊な空調の適用、換気回数の多い空間 : ショートサーキットや淀みのある部位の予測とその対策立案。

・熱伝導との連成 : 躯体壁体及びサッシなど窓周りの結露検討、冷凍庫・冷蔵庫などのヒートブリッジ問題。

・輻射との連成 : 工場など高温設備のある空間での輻射の評価、輻射冷暖房の検討など。大規模問題にも適用。

・非定常解析 : 運用形態の変更や負荷変動に対して、空間の快適性や局所換気状況を検討するニーズの高まり。

・指標による評価 : 単に気流や温度の分布で検討できない問題を体感温度(PMV)、換気効率指標などで比較。

空調:手術室の空調シミュレーション

kucho_01_01 断面温度分布+速度ベクトル
kucho_01_02 表面温度分布+速度ベクトル

 特殊な空調問題の1つとして、医療系の問題が増加しています。手術室の解析はその代表格で、術者と患者、それに発熱する機械や無影灯がある中での気流性状と各部位での換気効率が評価に必要となっています。PMV等による病室の快適性評価も多く検討されている問題です。

上部画像の説明
 上部吹出しからの空調空気で、術者及び患者周辺の快適性をまかなえるかが主眼であるが、発熱機械の影響などで局部的に上昇流・渦流が起きています。

空調:冷蔵庫空調解析・非定常解析

kucho_02_01 風速等値面(Voxel)表示 0.25m/s
kucho_02_02 表面温度表示+速度ベクトル

 様々な製品を保存する冷凍庫・冷蔵庫等の解析は、収納する荷の状態確保に重要な問題です。実はこうした倉庫では気流や温度の状態はかなり不均一であり、荷の保存状態が不備な施設が多く稼働しています。前室や壁面の結露・結氷状態も大きな問題です。

上記画像の説明
 上の例の場合、対向した循環ファンを一定間隔で設置しても庫内の温度分布が均一になるとは限りません。吹出し方法の改善などが必要になります。

空調:大空間温熱環境解析

kucho_03_01 流跡線分布
kucho_03_02 断面温度分布+速度ベクトル

 体育館・劇場・アトリウムなどの大きな空間では、先ず制気口からの気流の到達範囲が問題となります。更に空間の熱条件は均一ではないので、局所的な環境の不均一を回避するための対策が重要な検討課題となります。

上記画像の説明
 上の体育館の場合、アリーナ部の冷気供給は十分ですが、客席部では十分な空調がされていない事が分かるので風量増加など追加対策が必要になります。

空調:ショッピングモール全館空調解析

kucho_05_01 断面温度分布
kucho_05_02 平面PMV分布(2F)

 最近の空調解析の特徴は、個々の室内だけを対象にするのではなく、建物全体を解析して上下階や吹抜けの影響など空間同士の関連を考慮したものが必要となっている事です。本件以外に、オフィスビル・駅舎・工場などでも全体と局所の空調計画のバランスが重要です。

上部画像の説明
 3階建て大型モールで各階テナントの快適性対策や、フードコート・吹抜けの気流状態のチェックが施設管理上も非常に重要です。

空調:クリーンルーム空調解析

kucho_06_02 断面温度分布
kucho_06_01 床に置いた粒子の軌跡

 クリーンルームは古くて新しい問題です。かなり昔から解析されてきて未だに清浄度に問題のある施設が多数あります。その原因は室内に設置した機器の発熱がFFUからの給気に抗して上昇流を発生するからです。熱分布を考慮した設計が新たに必要となっています。

上部画像の説明
 FFUからの冷気供給に対して、機器発熱や人体発熱による上昇流発生が無視できず、床付近の塵埃が上部に滞留しています。

空調:データセンター空調解析

detasenta_1 断面温度分布
detasenta_2 表面温度分布+速度ベクトル

 データセンターは様々な負荷のラックが混在し、個別に十分な冷気が与えられなければサーバーが過熱する危険が増大します。最近の高負荷サーバーや外気導入等の新技術に対しても適宜対応する必要があり、シミュレーションでの検討が更に重要となっています。

 

 

上部画像の説明

 DC空間内は換気回数が大きいにも関わらず、気流・温度状態は不均一です。稼働状態に合わせてアイルキャッピングや局所空調などの対策が重要です。