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建築学会講演発表(2015年9月)
2015年 9月4日、6日に建築学会にて講演をさせて頂きました。 下記に各講演の梗概を掲載致します。

 

< 建築物に作用する津波のシミュレーション その6 連立柱の津波荷重シミュレーション>
梗概:建築物の津波波力・波圧に及ぼす影響を定量的に調べるために先ず単独柱及び連立柱の抗力が柱間隔などによってどのように変化するのか調査した。 縦列柱ではFR数0.7では、柱間隔7~8程度で前方柱の後方柱への波力低減が無くなることが分かった。FR数1.5では柱間隔25~30でようやく前方柱の影響は無くなる。空気の場合の抗力の傾向と異なる理由は静水圧の影響が考えられる。

 

< 建築物に作用する津波のシミュレーション その8 女川地区某建物流出に関連したVOF 津波シミュレーション>
梗概:東日本大震災時、宮城県女川町の某旅館ビルが津波で70m流された被害が注目されたが、某旅館を含む街区の詳細モデルを構築して、浸水状況と波力の状態をVOF法によるシミュレーションで検討した。某旅館建物の海側建物群が有る場合では設計耐力との比は1.25、無い場合では2.54になるので、この建物は水平波力で転倒したのではないかと言う推測が成り立つとの結論を得た。

 

< 移動物体解析手法による人体歩行時の周辺気流解析>
梗概:弊社ソフトウェアe-flowでは、複雑精緻なモーション定義と、SuperCartesian法によるEuler系直交構造格子の中で曲面を持つ物体の再現が可能です。この特長を生かし、丸みのある人体モデルを作成し、手足を振って歩く様子を再現しました。これにより、人体周辺では、複雑な気流が発生し、それが周辺空間に影響を及ぼすことを確認できました。

 

< 建築物に作用する津波のシミュレーション その7 開口を有する建築物に作用する津波波力低減に関する検討>
梗概:建築物の外周開口率を変化させた建築物についてVOF法による3次元数値シミュレーションを行い、①建築物に作用する津波荷重について開口による津波荷重の低減率と開口率と相関性の検討、②ピロティ建築物を想定し、構面数をパラメータとして、ピロティ建築物に作用する津波荷重評価法について検討を行いました。この2つの検討によって、建築物規模の大小により閾値は異なるものの、開口率が一定以下の範囲では波力評価において、内部構造の影響は無視しうることを示しました。また、ピロティ建築物で奥行構面数を変化させた場合、第1 構面の波力に対する全体波力の比は構面数に対して線形的に増加し、これらの傾向はフルード数にほぼ依存しないことも判明しました。

 

< 有害ガス充満の可能性のある建家の換気効率指標CFD 解析>
梗概:換気効率指標は空間の中の循環状態を的確に判断・評価できる指標ですが、建築分野では実務面での適用の機会は多くありませんでした。そこで、換気口をもうけた建家に換気効率指標解析を試みて現況での換気状況の把握をすると共に、ピストン流れに近くなるような換気開口の配置に変更した結果との比較を行いました。結果として換気効率が改善されることが知見として得られました。

 


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