空調:某大ホール空調解析

解析の詳細

・解析の概要
 劇場空間は空調解析中でもやや特別なものと言えます。基本的にはステージ(舞台)側と観客の居る段床(客席)側の空調が別々に稼働するにも関わらず、当然のことながら両者の間にはなんの隔壁もありません。そのため吸気・排気のバランスが悪い案件だと、空調給気が効いて欲しい場所に有効に行き渡りません。本解析の場合はそのような現象は見られず、舞台側と客席側の空調空気は一応セパレートしているのが粒子軌跡から分かります。
 また劇場空間の解析の特徴は、舞台近傍の非常に大きい照明負荷の影響が挙げられます。六段やぶどう棚と呼ばれる舞台脇あるいは上方の照明設置場所で生じる熱気流が悪さをする場合があります。劇場天井付近に釣られている音響反射板が、上演中に時々揺れていないか確かめてみるのも良いでしょう。
 劇場空間で最も厄介な問題は、舞台外壁が外気に接している場合に起こる 「舞台おろし」 です。この正体は、舞台奥側壁面で起こるコールドドラフトなのですが観客に向けて冷気を吹き付ける事になるので忌避されますが、対策は優しくないです。意匠デザイナーは無関心な方が多いようですが、高さのある壁面で起こるコールドドラフトほど始末の悪いものはなく、コンベクター(加熱器)や壁面の断熱化などお金と手間の掛かる対策しかありません。本来は基本設計段階などでCFD解析などで予測・検討しておくべきだったのでしょう。
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